超ガラスの仮面




このお話は、一人の平凡な少女 北鳥マヤが、女優を目指し持ち前の頑張りとお色気によって
成功を収めるまでのサクセスストーリです。


あるところにごく平凡な少女が住んでいました。
彼女の名前は北鳥マヤ。
どこにでもいそうな、ごくふつうの少女です。
学校の成績もたいして良くなく、美人でもありません。
唯一、他の女の子たちと違う点は、万引きの常習者であった点でした。
理由は彼女の実家がとても貧しく、マヤが万引きしなければとても生活ができなかったのです。

マヤは万引きの天才でした。
毎日万引きしていたのに、彼女は一度も捕まったことがありません。
そのため、彼女は思っていました。
「私は絶対に捕まらない。」
ですが、ある日、彼女に転機が訪れます。
その日を境に彼女は万引きから足を洗い、女優としての道を歩むことになります。

「さあ、今日はここのコンビニから万引きをすることにしましょう」
マヤはそう言うと、コンビニの中に入っていきました。
チラっと中を見回し、監視カメラの死角になっている場所を見つけました。
そして少し店員を気にしつつ移動しました。

慣れた手つきでどんどん盗み始めました。
ですが、店員はまったく気付きません。
このままマヤの万引きは完璧に終わるかと思われましたが、
予想外のことが起きました。

偶然、店のトイレを使用していた女性が、万引きの現場を目撃してしまったのです。

そして、その女性はマヤがコンビニから出たところで声をかけました。

「ちょっと!さっき万引きした物を出しなさい」
マヤは呼びとめられました。
ですが、
「はい?何のことですか?私万引きなんてしてませんけど・・」
不思議な顔をしながらマヤは答えます。

「とぼけたって駄目です。私はあなたが万引きするところを見たのですよ。」
「あのう・・だから万引きなんてしてないですけど・・」

マヤはとぼけます。その顔には落ち着いており、
まったく動揺の色は見えません。

「おかしいわね・・いくらとぼけたって、目の中にあるわずかな動揺の色など簡単に隠せるものではない・・
まさか・・・本当にこの子は万引きをしてないのかしら?」
女性は心の中でそう思いました。

ですが、確かに目の前で万引きの光景を見たのです。
女性はマヤの持っている鞄をひったくると
「私はね、あなたがこの鞄の中に盗んだ物を入れるところを見たんですよ」
そういって鞄を開けました。

しかし・・
マヤの鞄の中には学校の教材が入っているだけ。
万引きした商品など入ってません。

「これで分かってもらえましたか?私は万引きなんてしてないんです!」
マヤはそう言い放つと、鞄を受け取り去っていきました。


「そんな馬鹿な・・・確かに私は万引きの現場を見たのよ。それがどうして・・」
女性は愕然としました。
ですがすぐに立ち直ると、マヤをストーキングしはじめたのです。
「おほほほ。まったく不思議なこともあるものね。原因が分かるまであの子を尾行することにするわ」

え?その女性は異常者じゃないかって?
いえいえ、違います。
実はこの女性。普通の人ではありません。
月影という日本を代表する女優だったのです。

月影のストーキングの結果、マヤの家を突き止めました。
そしてマヤの家の中に誰もいなくなるまで、静かに待ちました。
数時間後、マヤとその母親が外に出て行き、
部屋の電気が消えるのを確認すると、月影は行動を開始しました。

まずドアをピッキングで開けました
「ふー。昔、泥棒の役をしたことがあったことが幸いしたわね。」
月影はプロの女優です。そのために登場人物なりきるためには努力を惜しまないのです。
彼女は、その昔、泥棒の役をしたことがあり、
泥棒になりきるために、数々の盗みの技術を学んだのです。

余談ですが、
殺人犯の役をしたときには、
殺人犯の気持ちが分かりたいからという理由で殺人も犯しました。
けど、完全犯罪だったので捕まっていませんが。
今も彼女が殺害した死体はコンクリート詰めにして海に沈んでいます。
女優って大変ですね。


さて、話を戻しましょう。
ピッキングでドアを開けた月影。
中に進入すると、盗聴器をいくつか仕掛けます。
「うーん。気になってたけどさっきあの子が持っていた鞄になにか謎が隠れてるかもしれないわね」
そう言うと、部屋に置いてあったマヤの鞄を持ち出しました。
そして、
「あなたの鞄はいただきました     byキャッツアイ」
こう書かれたカードを置いて外にでました。

もうこの時点で家宅不法侵入、窃盗・・・合計で3つ以上も犯罪に引っかかりそうですが・・
大女優である月影は気にしません。
もっとも殺人をクリアしてる彼女にとってこの程度の犯罪など屁でもないのかもしれませんが。

殺人してる人間がたかが万引きでゴタゴタ言うんじゃない!
とナイスな突っ込みがきそうですが、
それは月影には通用しません。

「私は登場人物になりきってるの。だから今犯罪をしてるのは私であって私でないのよ。お分かり?」
このような答えがくるのが関の山。


さて、マヤの鞄を手に入れた月影。
色々と調べていると、鞄に隠しポケットがあるのを発見しました。
「なるほどね・・ここに盗んだ商品を隠してんだわ。」
やっと万引きの謎を解き、満足する月影。

そして同時に気付きました。
そうマヤの女優としての才能に・・

「全くあの少女はとんでもないわ。
大女優である私までが彼女の演技に騙されたなんて・・なんて子なの・・・」

すぐに月影はマヤを自分の後継者として育てようと決心しました。
考えたならすぐに実行するのが彼女のモットーです。
もう夜中の2時を過ぎていましたが、気にせず、マヤの自宅へ押しかけました。


マヤの自宅へ到着した月影は、ドアを叩きました。
2,3回叩いてもドアは開かれません。
それもそのはず、マヤと母親はもう寝ていたのです。
ですが何度も何度も執拗に叩いていると、
とうとうドアが開かれました。

眠そうにドアを開けるマヤの母親に
「すいません。お宅の娘さんをくれませんか?欲しいんです」
月影は叫びました。

母親は、すぐに病院に電話しようとしました。
ですが月影の顔に見覚えがあり、思いとどまりました。

そう、あの大女優の月影が今ここにいるのです。
「あ、あなたはあの月影ですよね?」
すこし動転しながら母親は尋ねます。

「はい。そうです。あなたの娘さんは女優の才能があります。
育てたいのでください。」

母親は、否定しました。ですが、月影は問答無用で連れて行きました。
結局裁判沙汰になりかけたのですが、
月影の必死の説得と、
何よりもマヤ自信、女優になりたいと言い出したため、
母親は仕方なくマヤを手放しました。

ですがマヤが月影にマインドコントロールされてしまったことまでは知りませんでした。




















戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送