幼稚園三国志






ここは大漢幼稚園・・・
野望に燃える幼児たちがあつまる幼稚園である。

みんなが遊んでいる中で、1人の園児が泣いている。
劉備「おーいおいおい。おーいおいおい」(泣いてます)

その様子を見た、孔明が劉備少年に声をかける。
孔明「どーしたの?劉備くん、泣いたりしてさ。」
劉備「あ、孔明くん!だってだって、滑り台とシーソーは曹操くん達が使ってるし、
砂場は孫権くんが使ってるんだ。だから僕が遊ぶ場所がないんだよ」
孔明「そうなんだ。だったら劉備くんは、あっちのブランコで遊べばいいじゃないか?
それでね、そのブランコをとって、天下を3つに分けるんだ。これぞ天下三分の計というんだ。」
劉備「ブランコは親戚の劉樟くんが使ってるから奪うことは出来ないんだ・・・」
孔明「この幼稚園で遊ぶ場所を探してたら、親戚だからって情をもったらいけないよ?」
劉備「でも、でも・・・そんな人道に背くまねは出来ないよ。僕は仁義を大切にしたいんだ」
孔明「困ったお人だ。だけどそういう優しいところが劉備くんのいいところでもあるけどね」

劉備はちょっと照れる。

劉備「だけど、ごめんね。孔明くんがせっかく友達になってくれたのに・・
僕が優柔不断なばかりに遊具をゲットできなくて。」
孔明「ううん。僕は平気だよ。
今ね、前に劉備くんが、友達になってくれと僕の家を3度も訪問してくれたことを思い出したよ。」
劉備「あのときは、僕全然友達いなくてね、すごく孔明くんと友達になりたかったんだ。」
孔明「僕も最初は、うざかったけど、君の熱意に負けたよ。
だけど女の子に同じことしたらストーキングだったね」
劉備「そうだね。速攻で捕まるね。
というより孔明くんがあのまま、僕を無視してたらストーカーになるとこだったよ」
孔明「それは恐いね。友情が愛情に変わることはあるらしいし。ちょっと笑えないね」
劉備「ごめんごめん。僕のこと嫌いにならないでおくれよ。」
孔明「大丈夫だよ。僕達親友じゃないか」


2人が話しをしていると、孫権のいる砂場で困った顔をしてみんなが相談しているのが目に入った。。

劉備「あれ?孫権くんたち。なにかあったのかな?」
孔明「そうだね。なにかあったのかなぁ?」


ちょっとすると、砂場から孫権の友達の魯粛が、劉備と孔明のところに駆け寄ってきた。

魯粛「劉備くん、孔明くん。助けてくれないかな?
曹操くんが砂場も使いたいといって、僕達を追い出そうとしてるんだ。」
劉備「へ〜。それは大変だね。。」
孔明「うん。大変だね。」

まるで人事のように語る劉備と孔明


魯粛「お願いだよ。曹操 くんはこの幼稚園の全部の遊具を使いたがってるんだ。助けてよ」
劉備「孔明くん、どう思う?僕にはちょっと難しい話しだよ」
孔明「もしも孫権くんが負けたら次は僕達が狙われるね。劉備くん、曹操くんから嫌われてるから。」
劉備「それは困るよ。よし、じゃあ孫権くんに協力しよう」

今まで無関心だったが、矛先が自分に向かうとなると、劉備は協力的な姿勢をとる。


孔明「じゃあ、僕はどうやって曹操 くんと戦うか、孫権くんの砂場での会議に参加してくるよ」
劉備「たのんだよ。孔明くん。僕も参加したいけど・・会議しても困った顔でうなづくしか出来ないんだ。」
孔明「わかってるよ。劉備くんは難しい話しになると、頭がショートしちゃうもんね」
劉備「そうなんだ。どうも難しいこと考えるのは苦手でね。
・・・・あのさ、もしかして僕バカにされてるのかな?」
孔明「いや、バカにしてないよ。何も考えずに他力本願の生活してる劉備くんはある意味スゴイと思うし。」
劉備「えへへ。そっか、スゴイかなぁ?」

また照れる劉備。孔明の皮肉にも気付かない。



そして、ここは孫権の砂場・・・
魯粛「孫権くん。孔明くんをつれてきたよ」
孫権「おお、孔明くん。来てくれたんだね。」
孔明「いっしょに曹操くんと戦うために来たよ」
孫権「だけどね・・ちょっと、いやかなり不安があるんだ。
曹操くんは100人のお友達といっしょに戦いを仕掛けてくるんだ。
だけど、僕達は全部で10数人しかいないんだ。まともに戦っても勝てるわけないし・・」
孔明「はっはっは。曹操くんと100人の友達なんて僕からすれば、アリの大群に等しいよ。」
孫権「ア、アリだって?曹操くんたちはケンカに強いよ・・」

孔明少年は、ポケットからコショウを取り出すと、

孔明「これがあれば、曹操 くんなんか恐くないよ」
孫権「ただのコショウじゃないか?」
孔明「いいかい?曹操くんたちが攻めてくるときに、コショウを風下に置いておくんだ。
そうすればみんなクシャミをするよ。その隙にやっつければいいんだよ」
孫権「で、でも、曹操くんたちは北の滑り台から攻めてくるんだよ。僕達の南の方角にある砂場じゃ逆風になっちゃうよ」

現在は西北の風が吹く季節。東南の風が吹くことはない。
つまり、北から攻めてくる曹操軍団にコショウをかけても、逆風によって 被害は孫権たちにふりかかるのだ。

周瑜「そうだよ。孔明くんのコショウ作戦は使えそうだけど、気象条件が悪いよ」
孫権の友達である周愉が口を出した。

孔明「心配ご無用。僕が、えいやと祈祷をすれば東南の風が吹くよ」





ここは、曹操軍団が集まる滑り台
曹操「いいかい?みんな、これから孫権くんの占領している砂場を奪うよ」
夏侯惇「うん!よ〜し。みんな一気に攻め込むよ」
曹操軍団「オオ〜〜〜!!!」



ワァっと北の滑り台から100人近くの曹操軍団が砂場を強奪しようと攻めてきた。

孫権「曹操くんが攻めてきた!?」
周瑜「うわぁ・・すごう人数だ。まともに戦っても勝ち目がないよ・・」
魯粛「だけど、だけどこの砂場を渡してたまるか!戦うしかないよ」

みんなが混乱していると

孔明「そ〜れ、東南の風よ、吹いておくれ。東南の風よ、吹いておくれ」

孔明の祈りにより、天候が変わった。
今まで西北の風が吹いたいたのだが、急に東南の風に変わったのだ。

孔明「みんな!コショウ攻撃だ」
孫権「よ〜し、コショウで攻撃するぞ」
魯粛「ほい、来た!」

孫権たちはそれぞれコショウを振りかける。
風向きが変わったことにより、コショウは曹操軍団全てに被害を与えた。

曹操軍団は孫権たちのコショウ攻撃によって、くしゃみをしだす

曹操軍団「ハクションハクション!!これじゃケンカにならないよ」
次々と逃げ出す曹操軍団。
混乱した軍団は、孫権たちにとって敵ではなかった。
砂玉を(砂を固めたもの)執拗にくらいながら、曹操軍団は泣き出す子が続出。
曹操軍団の子供A「うわぁ〜〜〜ん!くしゃみが止まらないよぉ」
曹操軍団の子供B「砂玉で服が泥だらけだぁ〜〜。これじゃお母さんに怒られるよ〜(>_<)」

曹操もこのままでは被害が増えるばかりと思い、逃げ出した。
そして、やっと安全なところに逃げ延びた曹操。
曹操「もう、コショウで攻撃してくるとは思いもしなかったよ。おかげで痛い目みちゃったなぁ・・」
とつぶやいた。
そして今日のケンカは負けちゃったけど、今度こそは勝つぞと曹操が思っていると・・・


関羽「おやおや、そこにいるのは曹操くんじゃないか?」
劉備の義理の弟である、体の大きい園児、関羽が曹操の目の前に現れた。

関羽「悪いけど、劉備お兄ちゃんのために、
曹操くんをハードにお仕置きしないとダメなんだ。悪く思わないでね」
曹操「そ、そんな、関羽くん。前におやつのプリンあげたじゃないか!?見逃してよ」
関羽「だめだよ。だってそのお礼にビックリマンシールのスーパーゼウスあげたじゃないか」
曹操「いや、そうだけど・・・・じゃあ、関羽くんがこの前、
トイレが混んでた時に裏庭でウンコをしたのみんなにバラしてもいいの?」
関羽「ええ〜〜!?それは困るよ。」
曹操 「じゃあ、見逃してよ」
関羽「もう、仕方ないなぁ・・・」


仁義に厚い(?)関羽により、お仕置きを受けずにすんだ曹操
なんとか滑り台まで逃げてきたときには、
軍団はボロボロになっていた。

曹操「ちくしょー。覚えてろよ。」
明日こそは砂場を強奪してくれると心に熱い炎を燃やした。


そのとき・・


保母さん「みんな〜〜!おやつの時間ですよ〜♪」
南蛮育ちの保母さんは、人の頭の形をした饅頭を運んできた。
曹操軍団も、孫権たちも、そして劉備に孔明も、園児達は仲良くおやつを食べた。

数ヶ月までは、雨が降ると、「早くお天気になれ」と
園児達の中から人柱を選んで、河に流し、
(その度に警察沙汰になった)
神に祈りをささげる危険な幼稚園だったが
孔明の「そんなバカな風習は直そう」との意見により
ブタの肉を小麦粉で包んで、
人の頭に似せた、「饅頭」を作り
河に流す習慣へと変わった。

今日のおやつは、その饅頭だ。
子供達は、美味しそうに食べ続けた。
だが、みんなが食べている饅頭の中身は豚肉ではなかった。
知らぬが仏・・・・
世の中知らないほうが幸せなこともたくさんある。
無邪気な笑顔で食べる園児たち。
きっと中身を知ったら、一生消えないトラウマになるであろう。








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