イササカ先生の締め切り








 やあ。こんにちは。イササカ ナンブツです。
磯野家のお隣に住んでいて、小説家のイササカです。
 みなさんからはイササカ先生と呼ばれています。

 最近、お隣に住んでいる波平さんなんですがね。
磯野家でゴミ扱いされてるようです。
いやいや、かわいそうですねえ。
ま、会社をリストラされて甲斐性なしになったからなんでしょうが。。。
 
え?私ですか。私はイササカ家の大黒柱ですよ。
 だって私の職業は素敵な印税生活の小説家です。
甲斐性なしの波平さんとは違いますからね。
 ストレスがたまったら浪人生のジンロクに「勉強しろ!」と叫びながら
好きなだけ暴力をふるえますからな。
 ハッハッハッハッハッハ!
あとウキエの着替えを盗撮するのもやめられませんよ
ヒャハハハ。気分は田代です!

 おっとこんなことを言ってる場合ではないようです。
 小説の締め切りが今日までなんですよ。急がなくてはいけません。





 ピンポーン
 





 く!!奴が来た・・・・!!
 ノリスケだ。。。あいつが原稿を取りに来たんだ。
 まだ原稿は出来上がってないのに。。。


 ノリスケ「ん〜〜!?イササカ先生。小説の方は出来あがってますかなぁ〜?」
 イササカ先生「ノ、ノリスケくん・・・それがまだ1枚も出来ておらんのだよ。。。」





 
ゴスッ!!
 






 く!あ、あばらが・・・・あばらが折れた!!?ゲホゲホ!!

 
 ノリスケ「ヒャハハハ!先生。僕は冗談が嫌いなんですよ。今日中に仕上げれますね?」
 イササカ先生「そ、そんな無理です。。。」

 ノリスケ「おや?無理ですか!?そうですか。。。では次は足の骨でも砕きましょうか?
そうすればやる気になりますよね!?。」
 イササカ先生「ひぃぃそんなぁ。無理なんだよ。まだ1枚も出来てないんだ。
ゴメンナサイ。助けてください。」
 ノリスケ「本当に悪いと思ってますか?」
 イササカ先生「も、も、もちろんだよ。だからこれ以上殴らないで!ぷりーず!」
 ノリスケ「では、ここで死んでください。」
 イササカ先生「は!?」
 ノリスケ「締め切りを守れない外道には死こそふさわしいのです。
僕が処刑してあげますよ。じっくりと苦しむようにしてね!!ケケケ」

 


 ひぃぃ!!なんという恐ろしい男だ!ノリスケは。
こうなったらノリスケを殺害するしかない!!
 くくく・・・この3日前にタラちゃんから買った拳銃でぶっ殺すことにしましょう!!!
 ゲヘへ。この机の中に拳銃がありますからね。ノリスケ!!
 貴様はここで死ぬのだ!!
 さあ!オープン・ザ・私の机!!そして出て来い。拳銃よ!!






 
バン!!(机を開く音)
 






イササカ先生「な、ない!?どういうことだ!?なくなっておるぞ!?」
イクラちゃん「ハーイバブーバブーチャーン」

イクラちゃん!?なんでこんなところに。ノリスケが連れてきたのか?
む!!
イクラちゃんの右手に握ってるのは・・・・・・私の拳銃ではないか!!!


ノリスケ「おやおや、イクラが拳銃を見つけたようですね。さあ。イクラ
イササカ先生を肉のかたまりにしてあげなさい。じっくりと苦しむようにね!」

イクラちゃん「ハーイ」(満面の笑顔で)





ズキューーン!!






ノリスケ「ゲハ!?な・・・何で!?」

どういうことだ!?なんでイクラちゃんがノリスケを撃ったんだ?


イクラちゃん「チャーンバブーバブバブハーイハーイ」

な、何を言っておるのだ?理解できん?ひぃぃ!なんで拳銃を私に向けてるのだ?
そ、そ、そうだ! タ、タラちゃんを呼ぼう!








タラちゃん「お待たせです〜〜!あ。イクラちゃんどうしたですか?」

イクラちゃん「チャーンバブーバブバブハーイハーイ」
イササカ先生「タ、タラちゃん。イクラちゃんはなんと言ってるんだい?」
タラちゃん「この家と土地の権利書をよこせと言ってますぅ〜」
イササカ先生「えぇぇえ!?そんな〜〜!苦労して手に入れた私の家をぉぉ!?」
イクラちゃん「チャーンバブーバブバブハーイハーイ」
タラちゃん「よこさないと殺すと言ってますぅ〜」



ぐぐぐ・・・仕方ない。この家を差し出すしかないようだ。。。






 

そして私は家と土地をイクラちゃんに奪われた。
私は今、安いアパートに住んでいる。
そこでコツコツと小説を書いて生計を立てているのだ。
今度はノリスケのように恐ろしい担当はいないし、少しくらい原稿が遅れても
殴られるようなことはない。

ただ、今の私には家族がいない。
娘のウキエの着替えを盗察してたのがバレてしまい、それが原因で離婚をしてしまった。
ま、裁判沙汰にならなくてよかった。






 
ピンポーン!








おや!?原稿を取りに来たようですな。
残念ながらまだ全然出来てないのですが、少しくらい遅れてもゆるしてくれますからな。
気楽なものですよ。





イクラちゃん「チャーンバブーバブ」
タラちゃん「こんにちは。原稿を取りに来たと言ってるですぅ」
イササカ先生「そんな馬鹿な!?まさかイクラちゃんが私の担当者なのか!?」
イクラちゃん「ハーイバブバブー」
タラちゃん「さっさと原稿を出せよハゲ!と言ってるですぅ」
イササカ先生「そんな、いやそのまだその・・・原稿は・・・・その・・・出来てないんだ」
イクラちゃん「バブバブーハーイ」
タラちゃん「それではこれから動けなくなるまで殴ると言ってますぅ。
ついでだからボクも参加するですぅ」
イササカ先生「な!そんなぁぁぁあ!?ちょっとタラちゃんまで!?
参加しなくていいよぉぉ!!」
イクラちゃん「バブバブ〜〜〜♪」
タラちゃん「ウヒョヒョヒョですぅ。とっても愉快ですねえ。イクラちゃん♪
う〜ん。面白いですぅ。もっと殴るですぅぅ!!!」
イササカ先生「ギャァァアアア!!やめてとめてやめてとめて!!」





ガキッゴシャアボコバキィ!!








そしてボロボロになった私はゴミ捨て場にブリーフパンツだけで捨てられた




そんな私のところにタラちゃんとイクラちゃんが現れた。


イクラちゃん「ハーイバブゥバブゥチャ〜〜ン」
タラちゃん「また明日 続きをすると言ってますぅ。
ボクもイクラちゃんといっしょにイササカ先生のところに遊びにいってあげますぅ!」




な、なんて幼児だ!
なんか波平の気持ちが少し分かったぜ。
波平はいつもターゲットにされてるもんな。













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